昇進・昇格試験の論文考5「評価軸」について(3)

論文のカギを握る「文章表現力」

今回は評価軸「文章表現力」を見ていきます。昇進・昇格試験の論文の制限字数は、その場で手書きのクローズド形式であれば1,600字~2,000字程度、持ち帰りでパソコンのオープン形式であれば2,000字~3,000字程度がふつうです。制限字数の半分程度しか書けない人が存在しますが、それでは高得点に至ることはありません。また、大幅に字数をオーバーするものも好ましくありません。

また、段落設定がない、いわゆる「べた書き」も不適切です。皆様も「べた書き」の文章を渡されて読む気になりますでしょうか。見て読みたくなるような文章を常に意識したいものです。仕事は全てが文章で回ります。できるだけ読み手に負荷がかからない文章を目指すべきです。

 先日、数年前より継続していただいているお客様より、こんなお言葉をいただきました。

「毎年論文試験を実施することで、文章を書いて人に伝えることの大切さが根づいてきた。うちの会社の文化として喜ばしいことであり、継続したい」

 よくありがちなのですが、業務が属人化し、「個人商店化」してしまって業務量に偏りが生じているという内容の論文をよく見かけます。最近では、働き方改革に基づき、標準化、見える化、効率化などに言及するものも目立ちます。しかし、そういった業務量の偏りの解消には、当人がその状況を人に伝えることがまず重要になります。文章を書いて説明し人に伝えることが重要になるのです。そのためには、どのような人が読んでも理解しやすい文章がキーとなります。

「文章表現力」の重要ポイント

この評価軸が低めとなる主な傾向を3点掲げます。

  1. 「~と思う」と散文的なもの
  2. 「~と考える」と考察レベルのもの
  3. 内容に説得力や訴求力がないもの

ただ、いくら文章表現に優れていても、論文として必ずしも高得点につながるとは限りません。その一方で文章が苦手であっても、論文として高得点を獲得する方もいます。論文は「あくまでも中身」が肝心ということに変わりはないのです。

それはスキルばかりがビジネスでは重要とはならないためです。いくら美辞麗句を並べていても、実践的な中身が備わっていなければ有効とは判断できません。したがって、評価軸「論理性」「主体性」との関連性が重要になります。ただ、やはり体裁も大切です。粗雑に盛られた料理では食欲も失せ、昇格後の役割として品格が疑われます。文章表現スキルとは、そういうものなのです。

弊社では、単に文章の上手い下手で、評価が大きく左右されることはありません。お客様にはメーカーの方も多いのですが、文章を苦手とされる方も多々いらっしゃいます。たどたどしい文章であっても、中身を重視して評価いたします。したがって、文章が不得手な方も尻込みすることなく、論文にチャレンジしていただきたいと思っております。

次回は10/4」(月)、これまで3回にわたってお伝えしてきた「評価軸」の最後です。その他の「評価軸」について見ていくことにします。

※ 【お願い】当コラムの内容に関する個別のご意見やご質問に対しての回答は、基本的にいたしかねますので、あらかじめご了承くださいますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。