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昇進・昇格試験の論文考7「フィードバックコメント」について(1)

なぜコメントを付けるのか

弊社の昇進・昇格試験の論文では約95%のお客様に対してフィードバックコメントをつけています。その主な理由は

  1. お客様である人事部に評点の根拠を示すため
  2. ご本人の育成を促すため
  3. フィードバックすることで組織の未来志向を高めるため

です。手前味噌で恐縮なのですが、UDジャパンのフィードバックコメントはご好評を得ております。

まず第1回として、「褒める」に着眼します。

昇進・昇格試験の論文は当然、評点の高低差が受験者様によって出ますが、どのような論文に対しても敬意をもって接するように心がけております。それは、この昇進・昇格試験のステージに立つだけで組織的にそれなりの地位にある方ですので、ここに至る道程に対する敬意でもあります。

その敬意に基づき評価を進めますが、まずは良い点を見つけます。どのような論文にも必ず良い点はあります。そこを褒めるようにしています。その意味は、受験者様であるあなたを否定するのではなく、あなたのこういうところは良い点なので、これからも伸ばしてくださいという意図によるものです。人は褒められると伸びるものです。

年間およそ2,000名の内容からは、これまでに多様な実績を積み上げてきたことが見て取れます。先行きが不透明な時代にあって、ポジティブなことを伝えると、さらにモチベーションが高まります

褒めることの意義

以前、ある受験者様から、「自分の論文は全然だめだと思っていたけれど、褒められて嬉しかった」という声をいただいたことがあります。これは弊社としても大変喜ばしいことです。

評価は決して今後の行動力のみで決まるものではなく、現在までの真面目な心構え、親身な姿勢、協調し支援する態度、メンバーへの想い、実直にやり抜く力、組織的な役割と真摯に向き合う信念、どのような状況に置かれても前向きに対応する意欲など褒める点はいくらでもあるものです。

その良い点について、第三者としてその人が書いてある通りに具体的に褒めるため、ご本人の納得感が得られます。現場で鋭意努力して活動しているにもかかわらず、なかなか褒められる機会がない人にとって、これまでのことを認められることは励みになります。たかが論文のみで深く落ち込むようなことはせず、論文の評点は低かったけれど、これからもがんばろうと思っていただけたなら弊社としても望外の喜びです。言霊はネガティブなことを発すればネガティブな方向に、ポジティブなことを発すればポジティブな方向に広がります。星火燎原という言葉がありますが、弊社のフィードバックコメントがお客様の前向きな発想を促し、それが社内に広がりを見せることを願う次第です。

次回は11/18(木)、「育成」をキーワードに「改める」についてご紹介いたします。

※ 【お願い】当コラムの内容に関する個別のご意見やご質問に対しての回答は、基本的にいたしかねますので、あらかじめご了承くださいますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。