昇進・昇格試験の論文考3  「評価軸」について(1)

論理性って何?

今回より、論文評価の評価軸について考えていきます。評価軸の基本は、「論理性」「主体性」「文章表現力」です。今回は「論理性」を見ていきます。
「論理性」とは、読んで字のごとく論文に論理が備わっているかです。わかりやすくいえば、どのような立場から何についてなぜ論じているのかが明瞭であるかです。一見当然のことと捉えられるかもしれませんが、これができない人が実に多いのです。恐らく論文テーマのことで頭が真っ白になり、一方的に論じてしまうことが要因だと思われます。
この「論理性」が低めとなる論文は、以下のような特徴を持つ傾向があります。

  1. 脈絡を持たせることなく思うままに展開するもの
  2. 現状把握や対策立案が主観的なもの
  3. 論文テーマとの整合性が希薄なもの

机上の空論ではダメ

いくら立派な論文を記しても、論文テーマとの整合性がほとんどないものは5点満点で4点を獲得することはありません。論文テーマは組織からの命令であり、論文の生命線となるものです。
また、固定観念が強く頭で物事を考えがちの人は昇進・昇格試験の論文を硬いものとして捉え、理論ばかりが先立つ傾向にあります。そして、どこにでも当てはまるような教科書的なことや観念的なことばかりを論じがちとなります。これでは現場で通用することはありません。
昇進・昇格試験の論文では頭で考えた論理よりも、事実を客観的に捉え、実態に即した対策を合理的に立てる論理が重要になります。

次回は8/27(金)、評価軸「主体性」に関してお伝えいたします。

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