
昇進・昇格試験の論文考6「評価軸」について(4)
論文テーマと評価軸は一体のもの
前回までに、「論理性」「主体性」「文章表現力」の評価軸3軸の基本を見てきましたが、その他の評価軸はどのようなものがあるかを今回は考えます。
その答えは、実は弊社では持ち合わせていません。お客様が現在最も重視していることを伺い、それに合わせて提案しています。
例えば、いま変革期にあるのであれば「変革力」、周囲のメンバーを引っ張っていく強い意志を見たいのであれば「リーダーシップ」、物事を突破する力を見るのならば「突破力」など、お客様の目的にかなった評価軸を設計します。
UDジャパンの論文評価は、お客様ならではのご要望に柔軟に対応して評価を実施します。独自の評価軸だからこそ、価値が高まるのです。
その際に、1つだけ条件があります。例えば「突破力」を見るのであれば、それに応えられるような論文テーマを設定するということです。突破力を問うことなく突破力を測るのは無理があり、公平性に欠けます。論文テーマと評価軸は一体のものなのです。
評価軸を設定するにあたって
一度設計した評価軸は、むやみに毎年変えるべきものではありません。なぜなら経年で能力の差をみるためです。その年によって実力はどのように変化しているのか、変化していないのかを判断します。そうすることによって、どこに重点を置いて育成していくのかの方針が定まります。
なお、「変革力」という評価軸を用いているお客様はさほど多くありません。変革せずとも良い業務や姿勢は多くあるものです。
業務上の踏まえを論文テーマに盛り込み、、「課題把握力」「課題解決力」という評価軸を設定なさるお客様も存在します。しかし一方で、「現代という時代、業務上の課題さえ解決できればよいというものでもない」との考えから、課題解決以外に求められる要素、例えば以下の要素に焦点を当てることも有効といえます。
- 企業理念の浸透
- 社会的活動
- コンプライアンス
- 持続的成長
- ダイバーシティ
要はお客様が何にこだわり、何を評価したいのかということです。言い換えるならば、論文を通してどういった人材を見極めたいかということでもあります。
最後にご参考までに、基本的な3軸以外に用いられる評価軸の例をご紹介いたします。「現状把握力」「役割認識」「独自性」「主導力」「関係配慮」「財務感覚」などがあります。いずれも論文を記すために重要な要素ですね。
次回10/20(水)より、弊社の「フィードバックコメント」について、ご紹介してまいります。
※ 【お願い】当コラムの内容に関する個別のご意見やご質問に対しての回答は、基本的にいたしかねますので、あらかじめご了承くださいますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。