株式会社ユーディージャパン

人材教育・出版・ユニバーサル環境の推進

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会社で使う手話 見本用テキストデータ

視覚障がい者のためのテキストデータです。一部ですがご紹介いたします。本書をご購入していただいた方でご希望の方に、本書すべてのテキストデータのCDを添付しております。ご注文時にCD希望とお知らせください。

以下、見本用一部抜粋テキストデータです。

「ユニバーサル手話シリーズ3 会社で使う手話」のコラムなどの部分をテキストにいたします。この本は、本文275ページで構成されています。手話の写真のあいまに、実際に会社で働く聴覚障害者のエピソードや、職場で能力を発揮するための工夫、働くためのポイントなどをおりこみました。言葉のもつ意味や、その言葉が求める行動やマナーなども併せて学べるようになっています。
目次、手話表現、指文字一覧表、索引の部分につきましては、まことに申し訳ありませんが説明を省かせていただきます。

タイトル
ユニバーサル手話シリーズ3 会社で使う手話
仕事の基本を手話で学ぼう
監修 はた まこと
手話指導 高桐尊史・塩谷武志

表紙の説明
「会社」の手話をしているスーツを着た男性、「使う」の手話をしているネクタイを締めた男性、「手話」の手話をしているスーツを着た女性の写真が並んでいる。
表紙の説明終わり

帯の文章
前面
この本は「手話を通して会社のしくみを知るための手引書」だ。
株式会社リクルートプラシス 近藤康昭
裏面
聞こえない人が社会に出て働いていこうとするとき、支えになる大事なこと。それは、聞こえる人たちが暗黙のうちに作り上げている集団としてのルールやその遵守レベルなどを、当たり前のこととして省かずに、示し、話していくことだ。
この本がひとつのガイドとなり、相互理解の掛け橋となることを期待しています。
株式会社リクルートプラシス 近藤康昭
帯の文章終わり

以下、本文はじまり

序章1ページ
本扉
ユニバーサル手話シリーズ3 会社で使う手話
本扉終わり

序章3ページ
「こんなはずじゃ、なかったのに…」

この言葉は誰の言葉でしょうか?
それは、聞こえない社員と働く同僚や上司、それは、企業で働く聞こえない社員自身、そして、聞こえない社員を採用した企業。
この言葉の理由が、「聞こえないこと」だったら、「聞こえないことだけ」だったら、とても残念なことではないでしょうか?
いろいろな特性をもつ社員の、誰もが能力を発揮して、楽しい会社生活にしてほしい…

「こんなはずじゃ…」と言わないために、この一冊を作りました。終わり

序章4ページ〜5ページ
「監修にあたって」
一・八%の障害者法定雇用率を満たさない会社に対する法律や制度、そして社会の目は、ますます厳しくなっています。一方、障害者雇用に対する助成金制度や特例子会社制度といった支援制度は、近年急速に充実してきています。
こうした背景のもと、多くの企業が障害者の雇用に乗り出しています。このような風潮は、ノーマライゼーション社会の実現に向けて、誠に望ましいことですが、付け焼き刃的な雇用により、能力発揮の機会を与えられることなく毎日を過ごしていたり、不当に低い評価や賃金体制のもとで、やる気をなくしている障害者も少なくありません。その一方で、能力のある障害者は、ジョブホッパーとなり、企業から企業へと移っていく傾向も見られるようになりました。
聴覚障害者は、ハード面での負担がほとんどないため、障害者雇用を初めて行う企業がまず雇用しようと考えがちです。ところが、コミュニケーションや情報共有に関する問題だけではなく、予想外の人間関係のトラブルなど、さまざまな問題が発生しがちです。また、何の問題もなく勤務していたと思われた社員から、突然退職の申し出を受け、思いもかけなかったその理由に驚かされることもあります。
「聴覚障害者はもう二度と雇用しない」、「聴覚障害者は雇用しても雇用しても、すぐに辞めてしまう」という声を、人事担当者からよく聞きます。その理由は何でしょうか? それは、聴覚障害を持つ従業員の実情と本音に気がつかないからではないでしょうか? 障害者はその障害を持っているというだけの理由で、採用試験はもちろん、入社時教育から評価制度まで、別枠を設けている企業が多くあります。「障害者のためを思っての配慮」といいますが、それは本当の意味での配慮でしょうか? だとしたら、なぜこのような配慮をされた障害を持つ社員の定着率が、持たない社員と比較して、非常に低いのでしょうか?
障害者の能力発揮のためには、人事担当者はもちろん、現場の上司や直接業務を教える先輩、ともに働く同僚が、その障害の特性をよく理解し、できることとできないことを理解しながら指導・サポートすることが必要なのです。
監修 はた まこと
「監修にあたって」終わり

序章6ページ〜7ページ
「目次」
省略させていただきます。

序章8ページ
「本書の構成 」

本書は大きく三つの章で構成されています。

第一章……仕事の場面でよく使われる単語をまとめました。一緒に働く社員や上司はもちろん、聴覚障害を持った社員の方も、読んでいただきたい章です。その言葉に関係するマナーや職場での常識も一緒に説明しています。
第二章……これから就職する聴覚障害者と、転職を考えている方のための章です。
第三章……聴覚障害者の雇用を担当する人事関係者のための章です。募集のしかたや採用の試験や面接の留意点、配属や教育のポイントをまとめました。

*本書は、ビジネスに関わる用語だけに的を絞り紹介しています。他の手話辞典でも学ぶことのできる挨拶や日常用語は、あえて割愛しておりますので、ご了承ください。
「本書の構成」終わり

序章9ページ
「ページの見方 」
「コラム」
本文に関連する知識や、実際に会社で働く聴覚障害者、聴覚障害者を採用している企業などのエピソードを紹介しました。
「こんな工夫ができたらいいね」
聴覚障害者と聴者が一緒に仕事をするときに、障害の有無にかかわらず、能力発揮ができるために、どんな工夫があるのかを紹介しました。
「知っておこう」
手話単語などに関わるビジネスマナーや、社会人として求められるセンスなど、スムーズに働くためのポイントです。
「ビジネス用語」
「ビジネス用語」……紹介した手話単語のうち、その意味をしっかりと知っていてほしいものは、この欄で説明をしました。
「ページの見方 」終わり

「矢印の見方」
省略させていただきます

序章10ページ〜12ページ
「聴こえに関するいろいろな言葉 」

本書の中で使われる、聴こえに関する言葉の意味をご紹介します。聴覚障害を持った社員と仕事をするうえで、知っておいてほしい言葉でもあります。

1、手話……主に手の形・動きなどによって意味を伝える伝達手段の一つ。日本語に手話を当てはめたもの(日本語対応手話)や、独自の文法や表現方法を用いたもの(日本手話)などがある。手話は、国や地域によって異なり、男女差も多少ある。
2、口話……耳の聞こえない人が、訓練により発声を身につけ、声を出して話すこと。読話の意味を含む場合もある。
3、読話……読唇という場合もある。耳の聞こえない人が、話している人の口や表情を目で見て、何を話しているかを読み取ること。
4、筆談……紙や手の平などに文字を書いて会話をすること。

5、空書……「くうしょ」と読む場合もある。空中に文字を書いて会話をすること。
6、トータルコミュニケーション……手話だけに限らず、その人の能力に合ったいろいろな方法(手話・筆談・読話・口話など)を用いてコミュニケーションをとることをいう。「手話ができないから…」と諦めてしまうのではなく、いろいろな方法でわかり合うことが大切である。
7、ろう学校……聴覚障害を持つ子どものための学校。幼稚部、小学部、中学部、高等部、高等部の専攻科などがある。幼児・児童・生徒に口話の訓練を中心にコミュニケーションを成立させるための教育を、就学前教育、初等教育、中等教育を通して行う。最近まで日本のろう教育は、口話教育を主とし、手話の使用を禁じてきたが、最近はコミュニケーションの一つとして用いる学校も増えてきた。
8、インテグレーション……統合教育という意味で、聴覚障害児がろう学校に通わず、地域の学校に通うことをいう。地域で推奨していたり、ろう学校の教育体制に違和感や不満をもった親などにより、増加の傾向にある。
9、デフファミリー……家族全員がろう者であるなどの理由で第一言語として手話を用いる家族。デフファミリーの子どもは生まれたときからコミュニケーション手段が手話であることが多く、手話を第一言語として身につける。
10、ろう文化……Deaf culture 一九八八年に起こった動きである。言葉が違えば、当然文化が違うため、手話という言語を共有したろう者の社会集団は、音声を使わない独特の文化をもつ。聴者にもわかりやすい代表的なものとして、授業や会議の開始や終了を、電気を数回点けたり消したりして知らせたり、拍手するときには、手を打つのではなく手の平を揺らすなどがある。
11、コーダ…… (Children of Deaf Adults) 聴覚障害者の両親をもつ聴者のこと。
12、聴者……聴覚に障害が無い人のこと。視覚障害者でも、肢体障害者でも、聴こえる人は「聴者」である。「健聴者」という言葉もあるが、この呼び方は、「聞こえないことは健康でない」という響きがあり、使用は避けるべきだろう。
13、ろう者……生まれつき聞こえなかったり、言語を習得する前に聴力を失ったりして、第一言語を手話としている人。聞こえないと発話が習得できないために「聾唖(聾=聞こえない、唖=話せない)」とも言われたが、現在はいろいろな訓練法や機器の発達で、多くの人が発話を習得するために、「ろう者」というのが一般的。
14、難聴……全く聞こえないのではなく、少しは聞こえている人のこと。大きな音ならば聞こえる人だけではなく、時々聞こえる人、高い音だけは聞こえる人、低い音だけは聞こえる人など、聞こえ方は様々である。
15、中途失聴……途中で聞こえなくなった人のこと。言葉を習得してからの失聴の場合は、言葉を話すことはできるが、声の大きさのコントロールが難しかったり、年月とともに不明瞭な発音になる場合もある。また、失聴した時の年齢によっては訓練を受けていないので、手話や読話ができない場合がある。
「聴こえに関するいろいろな言葉 」 終わり

1ページ
「第一章扉」
第一章 職場で使う手話
「人事異動があるらしい」、「今期の目標は達成できそうだ」、「もっと効率的に仕事をしましょう」…。職場でよくされるこんな会話、あなたは手話で伝えられますか?

【働く】ということを手話で表すときは、仕事の内容によって、表現を変えることもあります。
あなたの【働く】の手話表現は何か、考えてみましょう。
「第一章扉」終わり

2ページ
職場で使う言葉は、家庭や学校とは違う言葉がたくさんあります。こうした言葉を、「ビジネス用語」といいます。また、その会社独自の言葉である「専門用語」や「社内用語」もあります。
それぞれの職場や環境に応じて、よく使う表現や大切な表現は、皆で話し合って作っていくのも、楽しく、便利でしょう。
この本でも、手話単語として存在していない・確立されていない言葉は、あえて作成してみました。一つの提案としてどうぞ参考にしてください。
「もっといい表現がある」、「もうずっと前から自分たちではこんな表現をしている」、という場合は、もちろんそちらを優先してください。

「コラム」
自社独自の手話表現
デンソーという自動車部品メーカーでは、多くの聴覚障害者が勤務しています。この会社では、「不良品」や「機械工具」といったよく使う手話は、本来の手話表現があるにもかかわらず、“デンソー手話”として、もっと早く・簡単に伝えられるように独自の表現を作っているそうです。
こうしたオリジナル手話や作業でよく使う手話表現は、社内のパソコン端末を通じて見ることができるシステムを開発し、聴覚障害を持つ社員はもちろん、仕事の指導をするリーダーなど、誰でも見ることができます。この会社では、聴覚障害を持つ社員が一箇所にまとまって勤務せず、聴者と同様に広い工場のあちこちで働いていますが、こうした工夫で同じ手話表現で理解し合えるそうです。
大切な言葉やよく使う言葉をみんなの共通語にしていく、とてもよい方法の1つではないでしょうか。みんなが手話を使えると、作業音の大きな職場や広い作業場所での離れてのコミュニケーションにも役立ちそうです。
「コラム」終わり

3ページ〜10ページ
「始業から終業まで」
家を出たら、もう会社員

「おはようございます」「さようなら!」
こんな基本的な挨拶から、もう一歩踏み出して、「仕事」の話をしてみましょう。

手話の写真:一日

職場の1日を通して使われる、いろいろな手話単語を見ていきましょう。

「この節で取り上げている手話」
一日、通勤、タイムカード、朝礼、始業、ちょくしゅつ・立ち寄り、フレックスタイム、遅刻、勤務中、休憩、残業、交代勤務、三交代、調整、日勤、夜勤、早退、直帰
「この節で取り上げている手話」終わり

「知っておこう」
玄関を出たら、もう会社の一員です。だからこそ、会社支給の交通費で電車に乗り、もし通勤途中で事故に遭ったら、労災の対象になるのです。
会社員として恥ずかしくない服装でしょうか? 時間に余裕をもって出勤していますか? 会社員としての時間は、もう始まっているのです。
「知っておこう」終わり

「知っておこう」
始業時間とは、「会社に着く時間」ではありません。制服があればそれを着用し、今日の予定を検討し終え、「仕事に取りかかる時間」です。
他の人はそうしていることを知らず、自分だけがいつも直前に机に着いている……ということのないよう、一度先輩に、自分の会社の始業時間はどんな慣習なのかを聞いてみるのもよいでしょう。
「知っておこう」終わり

「ビジネス用語」
「ちょくしゅつ・立ち寄り」……朝、会社に出社せずに、そのままお客様の所などに直接行くことなどをいう。会社によって、いろいろな言い方があるが、前日のうちに上司と周囲の人に伝え、許可を得るのが通常である。
反対に、会社からお客様の所などに出かけ、そのまま会社に戻らずに、自宅に帰ることを、「ちょっき」という。 10ページ参照。
「ビジネス用語」終わり

「知っておこう」
遅刻は、いつ連絡するのでしょうか?それは、遅刻してしまうことがわかった時点です(17ページの欠勤も同じです)。
メールは、駅のホームなどからも連絡ができて便利です。上手く届かない時もあるので、あらかじめ話し合い、連絡できる複数の人を決めておくとよいでしょう。
遅刻してきた時は、席に着く前に、すぐに上司にお詫びをします。そして不在の間お世話になった先輩や同僚がいたら、お礼を一言伝えましょう。
「知っておこう」終わり

「知っておこう」
昼休みなどの休憩時間は、自由な時間でしょうか? いいえ、疲れをとって、リフレッシュし、事故を防ぎ効率を上げるために、会社から与えられた時間です。就業規則をきちんと守り、マナーに気を付けて行動しましょう。
また、職場に聴覚障害者が一人だけの場合は孤立しがちです。昼休みなどは、「一緒に食事をしませんか?」と声を掛けてはどうでしょうか? 業務で使う以外の手話単語を覚える機会にもなります。
「知っておこう」終わり

「知っておこう」
交代勤務や三交代制は、24時間稼動する生産現場や営業時間が長い店舗などで行われる勤務スタイルです。
シフト表などと呼ばれる計画表に従って業務を行います。これは、目標の生産量や、一人ひとりの能力などを考えて作られます。そのため、誰かが急に早退や欠勤をすると、調整がとても大変なことを知っておいてください。
「知っておこう」終わり

「こんな工夫ができたらいいね」
職場では、音で始業や休憩を知らせることがあります。でも、聴覚障害を持っていると、こうした音は聞こえません。また、難聴で補聴器を使用していて日頃会話ができる人でも、肉声でない音(電子音やマイク、電話等を通した音など)は聞こえなかったり、聞き取りにくい人もたくさんいます。ですから、始業や終業、休憩時間を知らせるベル・チャイムがある場合、担当を決めるなどして、聞こえない同僚に知らせる係を決めるとよいでしょう。肩を叩いたり、「休憩です」「終わりです」などの手話を覚えて、目の前で伝えられたらいいですね。
でも、集中して仕事をしているときなど、突然肩を叩いたりすると驚かせてしまいますので、区切りのいいときや、目を合わせてからなど、タイミングを見計らってください。
また、光を点灯して始業・終業や非常時の情報を伝える装置もあります。設置は助成金の対象にもなりますので、職場に取り入れるのもよいでしょう。
「こんな工夫ができたらいいね」終わり

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ISBN4-901173-13-8 C2034
以上、本文終わり。